【核医学】放射性医薬品の完全まとめ:核種の半減期・エネルギー・集積機序

診療放射線技師国家試験において、核医学の得点力を左右するのは「検査目的と医薬品の正確な一致」である。本ページでは、膨大な薬剤情報を臓器別に整理し、暗記効率を最大化したマスターガイドを提示する。

📝 核医学・完全攻略ダウンロードセンター

本ページの解説内容を凝縮した、国家試験対策専用のオリジナルPDF資料である。 「暗記用(完成版)」と、核種名を隠して自身の理解度をチェックするための「テスト用(空欄版)」をセットで活用せよ。

  • 【暗記用】核医学医薬品・臓器別マスターシート(PDF:1.2MB)
    • 主要なRI(99mTc, 123I, 201Tl等)と検査目的を臓器別に網羅 。直前期の総復習に最適。
  • 【テスト用】核医学医薬品・書き込み式ワークシート(PDF:0.8MB)
    • 使用されるRI名を空欄にしたセルフチェック用シート。全問正解できるまで繰り返せ。

第1章:核医学医薬品マスターインデックス(臓器・目的別)

本章は、国家試験で最も狙われる「検査目的・薬剤名・投与条件・排泄経路」の完全対応リストである。検索・暗記の辞書として活用せよ。

1-1. 脳・中枢神経系

  • 脳血流量99mTc-HMPAO / 99mTc-ECD(静注・尿排泄) ※HMPAOは5〜30分後、ECDは5分以後に撮像
  • 脳血流量123I-IMP(静注・尿排泄) ※早期相15〜30分後、後期相3〜5時間後に撮像
  • 脳脊髄腔111In-DTPA(腰椎穿刺・尿排泄) ※3, 5, 24, 48時間後に撮像
  • 神経受容体(ベンゾジアゼピン)123I-イオマゼニル(静注・尿排泄) ※3時間後に撮像
  • 神経受容体(ドパミントランスポータ)123I-イオフルパン(静注・便尿排泄)
  • 神経受容体(ドパミン代謝)18F-FDOPA(静注・便排泄) ※1〜2時間後に撮像

1-2. 心臓・循環器系

  • 心筋血流量201TlCl(静注・便尿排泄) ※10分後および3時間後に撮像
  • 心筋血流量99mTc-MIBI / 99mTc-TF(静注・尿排泄) ※30分後および3時間後に撮像
  • 心プール99mTc-RBC / 99mTc-DTPA-HSA(静注・尿排泄) ※投与直後から撮像
  • 脂肪酸代謝123I-BMIPP(静注・尿排泄) ※30分後に撮像
  • 交感神経機能123I-MIBG(静注・尿排泄) ※20分後および3時間後に撮像
  • 心筋梗塞(急性期)99mTc-PYP(ピロリン酸)(静注・尿排泄) ※3時間後に撮像

1-3. 肺・呼吸器系

  • 肺血流99mTc-MAA(静注・尿排泄) ※投与直後から5分間撮像
  • 換気機能133Xeガス / 81mKrガス(経気道吸入)
  • 吸入シンチ99mTc-ガス / 99mTc-DTPAエアロゾル(経気道吸入・便/尿排泄)

1-4. 消化管・肝胆道系

  • 肝シンチ99mTc-フチン酸 / 99mTc-スズコロイド(静注) ※20分後に撮像
  • 肝受容体99mTc-GSA(静注・便尿排泄) ※投与直後から撮像
  • 肝胆道99mTc-PMT(静注・便排泄) ※投与直後から2時間撮像
  • 唾液腺99mTcO4-(静注・便尿排泄) ※投与直後から1時間撮像
  • 消化管出血99mTc-RBC / 99mTc-HSA / 99mTc-HSAD(静注) ※5分後〜24時間後まで経時的に撮像

1-5. 腎臓・泌尿器系

  • 腎静態99mTc-DMSA(静注・尿排泄) ※2時間後に撮像
  • 腎動態99mTc-DTPA(糸球体濾過) / 99mTc-MAG3(尿細管分泌) ※静注・尿排泄

1-6. 内分泌系

  • 甲状腺Na123I / Na131I(経口投与・尿排泄) ※123Iは3時間後、131Iは24時間後に撮像
  • 副甲状腺99mTc-MIBI(静注・尿排泄) ※30, 60, 120分後に撮像
  • 副腎髄質123I-MIBG(静注・便排泄) ※24時間後、48時間後に撮像
  • 副腎皮質131I-アドステロール(静注・便排泄) ※3, 5, 7日目に撮像

1-7. 骨・腫瘍・炎症

  • 骨シンチ99mTc-MDP / 99mTc-HMDP(静注・尿排泄) ※3時間後に撮像
  • 腫瘍・炎症(SPECT)67Ga-クエン酸(静注・便排泄) ※48〜72時間後に撮像
  • 腫瘍・炎症(PET)18F-FDG(静注・便尿排泄) ※60分後に撮像

第2章:診療用放射性医薬品の基本特性

【基礎解説】

  • 薬理作用の不在:物質量としては極めて微量(トレーサー量)であるため、生体に対する薬理作用や生理的影響はほとんど無い。
  • 臓器特異性:特定の臓器や病巣への集積、排泄、停滞など、化学的・生物学的な特異性を有する。
  • 安全性と副作用:副作用の発生率は極めて低く(0.003%未満)、発生した場合も精神的な緊張に起因する血管迷走神経反射が最も多い。
  • 放射線の取り扱い非密封の放射性物質を含むため、内部被ばくと外部被ばくの両面を考慮する必要がある。

【補足・国試の要点】

医薬品としての有効期限は、核種の物理的半減期に依存するため非常に短い。投与から撮影までの時間(待ち時間)は、薬剤が目的部位に集積し、かつバックグラウンドの血中濃度が低下する最適タイミングを狙って設定されている。


第3章:核医学検査で用いられる主要核種

3-1. SPECT(シングルフォトン)用核種

【基礎解説】

  • 99mTc(テクネチウム):6時間 / 141keV。ジェネレータから抽出。
  • 81mKr(クリプトン):13秒 / 190keV。ジェネレータから抽出。
  • 123I(ヨウ素):13時間 / 159keV。サイクロトロン製造。
  • 201Tl(タリウム):73時間 / 135/167keV。サイクロトロン製造。
  • 67Ga(ガリウム):78時間 / 複数のエネルギーピーク(93, 185, 300keV)を持つ。

【補足・国試の要点】

SPECT画像において、99mTcはエネルギーがガンマカメラのコリメータ等に最適(141keV)であり、標識化合物が最も多い。ジェネレータ(ミルキング)で得られる核種(99mTc、81mKr)の親核種との関係も頻出である。

3-2. PET(ポジトロン)用核種

【基礎解説】

  • 11C:20分 / 最大β+エネルギー 0.96MeV。
  • 13N:10分 / 最大β+エネルギー 1.19MeV。
  • 15O:2分 / 最大β+エネルギー 1.73MeV。
  • 18F:110分 / 最大β+エネルギー 0.63MeV。

【補足・国試の要点】

PET核種は総じて半減期が短いが、18Fは比較的長いため配送が可能である。また、**「最大β+エネルギーが小さいほど(=18F)、陽電子の飛程が短いため、PET画像の空間分解能は向上する」**という物理原則を暗記せよ。


第4章:二核種同時収集(サブトラクション)の組み合わせ

【基礎解説】

エネルギーピークの異なる2つの核種を同時に投与し、それぞれの情報を分離・収集する技術である。

  • 心筋梗塞の判定201TlCl(正常心筋) + 99mTc-PYP(梗塞部位)
  • 心筋代謝の判定201TlCl(血流) + 123I-BMIPP(脂肪酸代謝)
  • 交感神経の判定201TlCl(血流) + 123I-MIBG(交感神経機能)

【補足・国試の要点】

201Tl(約70-80keV付近)と、99mTc(141keV)や123I(159keV)の組み合わせは、エネルギー差が離れているため同時収集が可能である。高エネルギー側からの散乱線が低エネルギー側に混入する影響(クロストーク)の補正が必要となる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました