【計算攻略】センシトメトリと相反則不軌!「logのパズル」と写真効果を完全マスター

第1章:写真濃度(D)の正体と「log」のパズル

アナログ写真学の後半戦は「センシトメトリ(感度測定)」です。

「透過度」「不透過度」「濃度」という似たような言葉と、対数(log)の計算が絡んでくるため、多くの受験生がここで挫折します。しかし、光の通り抜け方を順番に追っていけば、ただの算数です。

1-1. 濃度を求めるための3ステップ

フィルムがどれくらい黒くなったか(濃度)を知るためには、以下の順番で光の通りにくさを計算します。

  1. 透過度(T)入ってきた光(入射強度 I0)に対して、どれくらい光が通り抜けたか(透過強度 I1)の割合です。$$T = \frac{I_1}{I_0}$$
  2. 不透過度(O)透過度の「逆数」です。つまり「どれくらい光を通しにくかったか」を表します。$$O = \frac{1}{T}$$
  3. 写真濃度(D)不透過度を「常用対数(底が10のlog)」に変換したものが、最終的な「濃度」になります。$$D = \log_{10} \left( \frac{1}{T} \right) = \log_{10}(O)$$

1-2. 国試の定番!「重ねたフィルム」の濃度計算

ここで、過去問にもよく出る定番の計算問題を解いてみましょう。

【問題】

透過率が50%のフィルムと、5%のフィルムを重ねた場合、全体の写真濃度はいくらか?

(ただし、log10(2) = 0.3 とする)

【ヒソカ流:パズルの解き方】

  • ステップ1:重ねたときの「全体の透過率」を出す重ねた場合は、掛け算です。50% × 5% = 0.5 × 0.05 = 0.025 = 2.5%
  • ステップ2:公式に当てはめて「分数」にする透過度 T は 2.5 / 100 となります。濃度 D は 1 / T の常用対数なので、分母と分子をひっくり返して計算します。$$D = \log_{10} \left( \frac{100}{2.5} \right) = \log_{10} \left( \frac{1000}{25} \right) = \log_{10}(40)$$
  • ステップ3:logを分解するlog10(40) を、与えられている log10(2) が使える形に分解します。$$\log_{10}(40) = \log_{10}(10 \times 4) = \log_{10}(10) + \log_{10}(2^2)$$$$= 1 + 2\log_{10}(2)$$$$= 1 + 2 \times 0.3 = 1.6$$

答えは 1.6 です。順番に分解していけば必ず解けます!

1-3. 濃度の種類(マイナー知識)

国試の選択肢でたまに問われる知識です。サラッと覚えておきましょう。

  • 拡散光濃度 < 平行光濃度(平行光の方が濃度が高く測定される)
  • 反射濃度:反射率の逆数の常用対数
  • 透過濃度:透過率係数の逆数の常用対数

1-4. フィルムの「比感度(相対感度)」

2つのシステム(AとB)の感度を比較する式です。

「有効濃度(濃度値 - 総合かぶり濃度)が 1.0 になるのに必要な露光量」をベースに計算します。

  • 比感度A(Bに対する)$$= 10^{(\log_{10} E_B – \log_{10} E_A)} \times 100$$$$= \frac{E_B}{E_A} \times 100 [\%]$$(※少ない露光量で濃度が出る方が、感度が高いシステムです)

第2章:露光のルールと「相反則不軌」

最後に、フィルムに光を当てる(露光する)ときの物理的な法則と、その「例外」について整理します。

2-1. 相反則(ブンゼン・ロスコーの法則)

「照射光の強度(E)」と「照射時間(t)」を掛けたものが同じなら、得られる写真濃度(D)は同じになる、という素直なルールです。

$$D = f(E \times t)$$

弱い光を長く当てても、強い光を一瞬当てても、光の総量が同じなら黒さも同じ、ということです。

2-2. 相反則不軌(そうはんそくふき)

しかし、極端な条件になると、上の素直なルールが崩れてしまいます。これを「相反則不軌(ルール違反)」と呼びます。

光の強度が極端に強すぎたり弱すぎたりすると、いくら時間を調整して光の総量を同じにしても、現像後の濃度が低下してしまいます。

  • シュワルツシルトの指数相反則不軌が起きているときの関係式は以下で表されます。$$p = f(E \times t^\rho)$$この ρ(ロー:約0.8)のことを「Schwarzschild(シュワルツシルト)の指数」と呼びます。名前だけ覚えておきましょう。

2-3. 間欠露光効果(かんけつろこうこうか)

これも相反則不軌による現象の一つです。

「1回でドカンと連続して光を当てた場合」と、「細かく何回にも分けて(間欠的に)光を当てた場合」とでは、トータルの光の量が全く同じであっても、出来上がる写真の黒化度(濃度)が異なってしまう現象です。

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