ド・モルガンの法則:基本ルールの復習
複雑な論理式を、選択肢にあるシンプルな式に変形するためのルールは、実質2つだけです。この「特設トレーニング場」で、頭よりも先に手を動かして慣れていきましょう!
- ルール1:バーを切断し、符号を裏返す繋がっている長いバーをチョキンと切ると、その下にある + は ・ に、・ は + にひっくり返る。
- ルール2:二重バーは消滅する文字の上にバーが2本重なったら、裏の裏は表ということで、2本とも綺麗に消し去る。
それでは、レベル1から順番に解きほぐしてみましょう。
例題1:基本のバー切断(NORの分解)
まずは基礎中の基礎です。A と B の全体にかかっている長いバーを、真ん中の + の上で切り離します。
【問題】
$$\overline{A + B}$$
【解説】
バーを真ん中で切断します。同時に、下にある + を ・ にひっくり返します。これで完了です。
【解答】
$$\overline{A} \cdot \overline{B}$$
例題2:二重バーの消去(国試の定番)
国家試験で頻繁に出現するパターンです。A には最初から短いバーが付いており、さらに全体に長いバーがかかっています。
【問題】
$$\overline{\overline{A} \cdot B}$$
【解説】
まずは一番上の長いバーを、真ん中の ・ の上で切り離します。・ は + にひっくり返ります。
$$= \overline{\overline{A}} + \overline{B}$$
ここで、A の上にはバーが2本重なった状態(二重バー)になります。ルール2を発動し、二重バーを消滅させます。
【解答】
$$A + \overline{B}$$
例題3:3つの変数の分解(チョキン、チョキン)
入力が A、B、C の3つに増えてもビビる必要はありません。長いバーを2箇所で切るだけです。
【問題】
$$\overline{A \cdot B \cdot C}$$
【解説】
A と B の間、B と C の間にある ・ の上で、それぞれバーを切断します。切られた下にある ・ は、すべて + にひっくり返ります。
【解答】
$$\overline{A} + \overline{B} + \overline{C}$$
例題4:括弧を含むパターンの分解(要注意!)
ここから少しレベルが上がります。式の中に括弧がある場合、括弧の中身は「一つの絶対的な塊」として扱います。
【問題】
$$\overline{A + (B \cdot C)}$$
【解説】
いきなり全部を切ろうとしてはいけません。まずは A と「括弧の塊」の間にある + の上で、一番上の長いバーを切断します。+ は ・ に変わります。
$$= \overline{A} \cdot \overline{B \cdot C}$$
次に、括弧の上に乗っているバーを、B と C の間にある ・ の上で切断します。・ は + に変わります。
【解答】
$$\overline{A} \cdot (\overline{B} + \overline{C})$$
例題5:国試本番レベル!入れ子になったバーの攻略
実際の国試で複雑な回路図から式を作ると、この「バーの下にバーがある」状態によく遭遇します。落ち着いて「一番上の長いバー」から処理しましょう。
【問題】
$$\overline{\overline{A + B} \cdot C}$$
【解説】
まずは、一番上の最も長いバーを、真ん中の ・ の上で切断します。・ は + に変わります。
$$= \overline{\overline{A + B}} + \overline{C}$$
すると、左側の A + B の固まりの上に、バーが2本重なった状態(二重バー)が出現します。この二重バーを丸ごと消滅させます。
$$= (A + B) + \overline{C}$$
括弧はもう不要なので外します。どんなに複雑に見えた式も、ここまでスッキリさせることができました。
【解答】
$$A + B + \overline{C}$$
まとめ:ド・モルガンは「上から順番に切る」だけ
この5つの例題がスラスラ解けるようになれば、国家試験の論理回路計算で怖いものはなくなります。「一番上の長いバーから切る」「二重バーは消す」という単純作業の繰り返しに過ぎないことを、ぜひ実感してください!

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